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恐怖の酸素爆弾
(4,3)モデル姿図 (4,3)モデル各部記号および寸法比率
(4,3)モデル展開図(4,3)モデル展開図

 恐怖の酸素爆弾とは、原子爆弾よりも、また水素爆弾よりもはるかに恐ろしい、人類の歴史始まって以来の、否、天地開闢以来の、最高にして最大、むしろ崇高な光さえ帯びた文字通りの最終兵器であります。
 恐怖の酸素爆弾の恐ろしさは、無論これがただの「酸素爆弾」でなく、「『恐怖の』酸素爆弾」である点、これであります。もし仮にこの『恐怖の』がなかったとしたら、誰がこれを恐ろしいと思うでありましょう。… (1章 恐怖の酸素爆弾、その恐怖 1・1 序論、より)
(以下、要約)
 恐怖の酸素爆弾の恐怖を理解するためには、まずその殺傷力を知らねばならない。 その殺傷力、エネルギーは、質量とエネルギーの等価性に帰する。
 1リットルの空気には約21パーセントの酸素が含まれており、その質量は、常温常圧で約0.284グラム。 これはただの「酸素」の重さであり、これが「恐怖の酸素」として機能するときの効果は2.5倍。2.5は「恐怖の酸素」と「酸素」の字数の比。 これを質量とエネルギーの等価式にあてはめると、1リットルの空気中の酸素は、恐怖の酸素として、153億キロカロリーのエネルギーに相当する。
 いっぽう人間の殺傷力について、人間の平均的な体重60キログラムの水が平均的な体温36.5゜Cから水の沸点100゜Cまで上昇し、沸騰して蒸発するために必要なエネルギー量により計算する。人間ひとり分の蒸発には36,150キロカロリー必要。
 従って、空気1リットルの恐怖の酸素の殺傷力は422千人となる。

 誰もが具体的に恐怖の酸素爆弾をイメージしやすいように、また自分で恐怖の酸素爆弾を作り、所有することができるように、紙と鋏、糊を使った切紙細工で組み立てられるモデルを設計した。
 このモデルは、需要に応じてどのような大きさにも作れるように、各部分の比率だけを決めておく。 また頭部と尾部の3次元曲面部分を、平面に展開することができるよう円錐台の組合せで近似する。
 見た目のバランスから、各部分曲面の回転軸方向の幅は同寸法とし、頭部と尾部の幅が近くなるように分割数を調節する。 各モデルは頭部と尾部の分割数の組合せにより、(1,1)モデル、(3,2)モデルのように呼称する。
 以上により、容量と分割数が決まれば、具体的な寸法が決まる。

恐怖の酸素爆弾10万人殺傷型(4,3)モデル
 図は10万人殺傷型(4,3)モデルの例。組上がりの大きさは、容積237立法センチメートル、全長101ミリメートル、直径69ミリメートルになる。

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