山田瑞穗 Dr.Yamada Mizuho

蛇足

 フランスの田舎町にあまりはやらない医者がいて、それでも結構町は成り立っていたが、パリから学識豊かなクノックという博士がやって来て、早期診断、病気の予防、衛生思想、医学知識啓蒙に励み、それまでは気づかれずにいた患者?のために宿屋が満員となり、薬局も大繁盛し、前の町医者までもが患者になってしまうというお話があるが、ありもしない病気を恐れて右往左往しているわが国の医療の現状と似ていなくもない。 国民は最新医学というクノック博士に脅かされてただおろおろしている。 よく探せば、蛇にも痕跡的には足があるというものであろう。