書名:篆刻●蘭亭叙
著者:山田瑞穗
出版:榕樹書林
発行:1998年2月20日
定価:5,000円 (ハードカバーA5版256頁)
「はじめに」より
先ずお断りしておかなければならないことは、これは篆刻集とは言っても一流篆刻家が展覧会に出すようなオリジナルな作品ではなく、素人の私が模刻した印影を集めたものです。(…略…)
私自身、少し前までは篆刻のことなど、何も知りませんでした。面白そうだが自分に出来るかどうか一寸試してみようと刻ってみたのがきっかけで、篆刻に関する本などを少しづつ買って、自分勝手に刻ってみました。六十歳から始めたので、言わば、六十の手習いです。(…略…)
ふとしたことから、かの「蘭亭」の故事を知り、また、大正二年の蘭亭会において「蘭亭叙」の一連の篆刻の作品が出展されたことを知りました。
この蘭亭会は京都と東京で催され、二つのシリーズがあります。どちらも素晴らしいもので見ているだけで惚れ惚れするのですが、自分でも刻ってみようと刻り始めました。一つまた一つと刻り、とうとう全部を刻ってしまいました。一つ一つの印影もいいのですが、このようにまとまったシリーズになるとまた別な趣きがあります。
蘭亭印興(大正癸丑蘭亭会・東京)
『昭和蘭亭展図録』 |
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蘭亭印興 |
永和九年
(梨岡素岳) |
猶不能不似之興懐
(石井雙石) |
蘭亭印譜(大正癸丑蘭亭会・京都)
『昭和蘭亭展図録』 |
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會干會稽山陰之蘭亭
(金山不韋) |
一觴一詠
(三浦梅癡) |
信可楽也
(西山蘭谿) |
この本では、この「蘭亭叙」の他に、「中国古代三十六計」と「般若心経」と二つのシリーズを加えました。こちらは多数の方の作品ではなく、中国のそれぞれお一人の作品集ですが、いずれもさまざまな書体、デザイン、刻り方のものがあって、本当に楽しくなります。(…略…)
1997年、丁丑(永和九年より1644年目) 山田瑞穗
『中国古代三十六計篆刻集』
(李亜軍) |
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三十六計 |
隔岸觀火 |
苦肉計 |
『楊廣泰刻心経印譜』
(楊廣泰) |
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般若波羅蜜多心経 |
観自在菩薩 |
無智亦無得 |
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